◉東京国立博物館
本日から上野の東博で、特別展「空也上人と六波羅蜜寺」(3月1日〜5月8日)が開かれる。
口から「南無阿弥陀仏]と唱える小仏像が出ている重文「空也上人立像」は歴史の教科書にも出ている有名な像。昨日の内覧会でも、その周囲に人だかりができていた。展示会場の中央あたりに置かれており、ぐるりと背後まで見られるのは、めったにない機会だ。
平安時代の地蔵菩薩像は珍しい。地蔵信仰は空也上人が生きた平安時代中期から広まり始めたもので、その古例だ。以後、鎌倉時代の地蔵菩薩像や閻魔大王像も展示され、六波羅蜜寺の発展を窺わせる。
六波羅(旧名は六原)は京都東山の鳥辺山の墓所の入口にあたり、冥土の入口でもあった。そのため地蔵信仰の寺ともなったのだろう。
また、六波羅といえば、鎌倉幕府が六波羅探題を置き、平清盛が本拠地にした地である。鎌倉時代につくられた平清盛像も展示されている。